「ソーシャルメディアで、何を投稿したらいいの?」
これは、生徒さんや会員さんから、よく貰う質問の1つです。
我々も、この部分については、苦労してきました。
ソーシャルメディアは、確かに有効なツール。
ところが、使い方次第では、無用の長物になりかねません。
落語にヒントあり
「頑張って投稿している割には、効果がない…」
という声は、幾度となく聞いてきました。
ソーシャルメディアで、効果を発揮するために。
我々は、どんな投稿をすればいいのでしょうか。
実は、そのヒントが、落語にあったんです。
孝行糖
- 「チャンチキチン」
- 「スケテンテン」
と、飴玉を売り歩く若者がいます。
これは落語『孝行糖』に登場する、与太郎という若者です。
与太郎というキャラクター
この与太郎という人間。
現代でいえば、いわゆる、「おバカキャラ」といったところでしょう。
- 厳しい管理社会についていけない
- 嘘はつけず、本音で生きる
- 常識がなく、人とズレている
という若者でした。
こんな性格もあり、社会に馴染めず、働き口に困っていました。
親孝行が仕事?
与太郎は、何も働くことができない。
そんな訳で、「親孝行」を仕事としていました。
今であれば、考え難い話ですよね。
周りが自立をサポート
しかし…
その親孝行の姿が、村で認められるようになりました。
ご褒美として、お金をもらえるようになったのです。
すると、当時与太郎が暮らしていた長屋の主が、
「そのお金を元手に、新しい商売をさせよう」
と、与太郎を自立させようとしました。
常識がない若者
しかし、与太郎という人間は、常識的な言動ができない若者でした。
要するに、
- 扱いづらい
- ちょっと変わった人
です。
このようなタイプは、現代社会では、どうしても煙たがられます。
しかし、江戸時代は違いました。
村人たちの手厚いサポート
村の人たちは、
「与太郎でもできる仕事はないか」
と知恵を絞りました。
そこで、与太郎に勧めたのが、「飴売り」の仕事でした。
飴売りの仕事を始める
- 「チャンチキチン」
- 「スケテンテン」
という歌を口ずさみながら、与太郎は飴を売り歩いたのです。
すると、どうでしょう。
飴がバカ売れ?
与太郎の売る飴は、見る見るうちに売れていきました。
与太郎はすぐさま、飴売りとして、知れ渡るようになりました。
与太郎は、商売について学んだのでしょうか。
いえ、与太郎は前述の通り、働いた経験はありませんでした。
商売がうまくいった理由
ではなぜ、与太郎は村中で評判になる、飴売りになることができたのか。
それは、「親しみやすさ」です。
与太郎に、傑出した商才があったわけではありません。
しかし、彼には天性の明るさがあったのです。
悪いところには目を向けない
- 笑顔で歌いながら、
- 決して売り込むわけではなく、
- 人間味と、歌という芸を表現していた
与太郎は、自分の悪いところには目を向けません。
まさに、人生哲学
自分の境遇や能力を、人と比べて劣等感を抱いたりしません。
憂鬱になって、閉じこもったりしません。
前向きに、働いているのです。
それを、周りの人たちは支えるわけです。
この与太郎の生き様は、まさに人生哲学。
書籍を参考にしても良いかもしれません。
この人だから、買う
飴の種類や味は、もはや関係ありません。
「与太郎が売っているから」、買うのです。
これって、現代の商売でも通ずるところがありませんか。
モノではなく、人
「あなたから買いたい!」
と言ってもらえたら、嬉しいですよね。
そうなると、商品の良し悪しは、さほど重要ではなくなります。
もちろん、商品・サービスの品質を高めるのは前提ですが…。
人間性で売れる
与太郎は、決して気が利いて、頭が切れるわけではありません。
しかし、
- 素直で善良
- 自分のありのままを表現する
- どこか愛嬌があり、憎めない
という人間性がありました。
ホッとする安心感
- 完璧ではなく、少し不器用
- キレッキレではなく、お茶目
- あくせくせず、ゆっくりと
こういった部分が、人間の心の琴線に触れる部分ではないのでしょうか。
人間味を感じると、親しみやすさを感じるわけです。
ホッとするんです。
これは商売でも同じことが言えます。
形のない商品
例えば、
- コンサルティング
- カウンセリング
- コーチング
これらは、目ではっきりと見ることはできません。
形のない商品です。
お客さんは、感情で選ぶ
お客さんは、素人です。
素人が、専門知識やスキルの良し悪しを、正しく判断することは、まず無理。
したがって、選ぶ基準となるのは、
- 「この人なんかいいな」
- 「親しみを感じるな」
- 「なんか、好きだな」
という、極めて感情的な部分になります。
質が良いのは、もはや当たり前
商売をしていると、「質」にこだわりがちです。
「質が良いから(こだわっているから)売れた」
と思いたい心情もわかります。
ただ1つ確かなことは、今の時代、「質」は均一化されているということ。
「品質」や「機能」は、みんなそこそこ良い
「どれでも一緒でしょ」が、お客さん側からの見え方です。
こうなると、どうやら「質」だけで商売を行うのは、難しそう…。
だから、「親しみやすさ」を付加するんです。
「親しみやすさ」の表現方法
親しみやすさを感じてもらうために、直接会う必要はありません。
ソーシャルメディアを使えば、それが実現できます。
ソーシャルメディアに投稿する内容が、
- 「自社の商品」や
- 「専門的な情報」だけ
になっていませんか。
「親しみ」のアイディア
例えば、日常の投稿に、
- 家族の写真
- ペットの写真
- 旅行時の写真
- 密かにはまっていること
- 特技・趣味
- 失敗談
- …etc
などを、少しずつ公開してみましょう。
要するに、あなたの「人間らしい」部分です。
「人」を見せる
商売とは無関係だけど、自分らしい側面を積極的に見せる。
そうなると、あなたという「人」に興味を持ってもらえます。
「品質」や「機能」の判断基準に、「人」という新たな要素が加わります。
お客さんが選びやすくなるのは、言うまでもありません。
編集後記
質や機能も大切ですが、それはもはや前提条件。
- 親しみやすさ
- 共感できるか
といったものが、今後のスタンダードとなりそうです。
親しみを感じてもらえれば、商品に興味を持ってもらいやすくなります。
方法はなんでも構いません。
自分と相性の良いメディアを使い、あなたの等身大を発信していきましょう。