「成果は出ますか?」
私たちのスクールに興味を持っている人から、稀にこのような質問を受けます。
正直、このような質問を受けると、一瞬困ってしまうんです。
それは、成果を出している人がいない、からではありません。
「成果」の意味が、不明瞭だからです。
「成果」の意味
そしてこの「成果」の捉え方次第で、その人のネット集客の将来は決まってしまいます。
そうなると、なおさら軽率な回答はできません。
だから私は、間髪入れずに聞き返します。
「ちなみに、〜さんの仰る、成果って何ですか?」と。
「成果」=売上?
すると、3人に1人くらいは、「売上です」と答えます。
この瞬間、心底、残念な気持ちになります。
自分が中学校の数学の先生だとして、授業を始めようと思ったら、
「先生、足し算って何ですか?」と言われたような気持ちです。
気の遠くなるような思いです。
ネット集客で伸び悩む人の共通点
成果=売上
この考え方が、完全に間違っていると言いたいわけではありません。
もちろん食っていくために、売上を作ることは必須です。
ただ、この考え方だと、うまく行く確率はかなり低くなります。
私の知り合いにも、「ネットを使って、すぐに売上を」と意気込んでいる人はいます。
ところが、そんな人に限って、ネット集客に悪戦苦闘します。
結果、途中で諦め、ネット集客への道半ばで倒れます。
ぶっちゃけ、すぐに売り上げあげたいなら…
切羽詰まっていて、売上が今すぐ欲しい。
こんな状況であれば、交流会にでも行ったほうが良いのではないでしょうか。
- 交流会でチラシを配る
- 多くの人と名刺交換して、紹介をお願いする
こういった”泥臭い”やり方のほうが、短期的には有効な場合もあります。
しかし問題もあります。
ずっとこれやるの?
泥臭いやり方も良いですが、持続性は低いですよね。
これから毎月、いや永遠にそれをやりたいですか?
むしろ、こういったやり方に限界を感じているから、ネット集客に取り組みたいわけです。
ところが、成果=売上の人は、こんなやり方をネットの世界でもやってしまいます。
- とにかく広告を出して露出する
- ブログを書きまくる
- ソーシャルメディアで告知しまくる
マッチョなやり方ですね。
一発当てる系の話に引っかかる
さらに悪化してくると、
プロダクトローンチで一発当てる。
という発想まで出てきてしまいます。
結果、思うようにならず、疲弊します。
短期的な売上に執着すると、突貫工事になりがちです。
その場凌ぎの方法で頑張っても、残念ながら、報われないんですね。
成果=売上の最大の問題
この話からご理解いただけたでしょうか。
成果を売上だけに絞ってしまうことによる最大の問題は、「積み上げ型」にならないということです。
これは大問題です。
スモールビジネスオーナーにとって、重要な希少資源は、時間です。
その大切な時間を費やしたのにも関わらず、行動が積み上がらない。
やってもやっても、いつまでも楽にならないのです。
プロセスの欠落
売上はあくまでも、結果です。
何もないところに、結果は生まれません。
しっかりとしたプロセスがあって初めて、結果になります。
成果=売上と考える人は、重要なプロセスを作ることを忘れてしまっています。
よってプロセスが抜け落ち、当座凌ぎな行動をしてしまうのです。
集中するべきは、仕組み作り
では、ネット集客における重要なプロセスとは何か。
それは、集客が安定的にできる「仕組み作り」です。
ネット集客がうまくいく人は、
成果=仕組み作り
と考えています。
- 見込み客を集める
- 見込み客を育成する
- 見込み客を新規客に変える
- 新規客を優良客に変える
このような仕組みを整えることが、最優先事項です。
(参考:少ないアクセスでもウェブ集客を実現した全手法とは?)
成果「物」を用意する
仕組みを作るにあたり、必ず揃えなければいけないものがあります。
それは、ネット集客に必要な成果「物」です。
- ウェブサイト
- ブログ記事
- 商品案内用ランディングページ
- メールマガジン
- ステップメール
- 無料プレゼント
- 無料プレゼント登録用ランディングページ
- …etc
これらがなければ、何も始まりません。
いくらノウハウを学んでも机上の空論に終わります。
成果「物」があることで、ようやく実践の準備が整います。
仕組みに集中すれば、「積み上げ型」になる
仕組み作りのプロセスを行えば、行動が資産になります。
「やってもやっても、いつまでも楽にならない」
から、
「やればやるほど、どんどん楽になる。」
と状況が一変します。
要するに、積み上げ型になるのです。
書籍を参考にしてみても、良いかもしれませんね。
爆発よりも、コツコツ
ネット集客では、
「ひと月の爆発的な売上」よりも、「毎月徐々に増えていく売上」のほうが、圧倒的に価値があります。
- 「来月以降はどうなるかわからないこと」に時間と労力を割く
- 「来月以降どんどん楽になること」に時間と労力を割く
どちらの働き方がしたいですか。
無形ではなく、有形なものに集中する
売上は、形がないものです。仕組みは、形があります。
形がないものを目標とするより、形があるものに的を絞ったほうが、明らかに簡単です。
そうすれば、結果は自ずと付いてきます。
ことさら強調はしませんが、売上だって上がります。
「月の売上が、200万円アップしました」
このような報告も、お客さんから頻繁にいただきます。
もちろん嬉しいですし、心から讃えます。
でも同時に、「当たり前ですよね」とも伝えます。
プロセスが先、結果は後、ですから。
- 「売上が上がった」
- よりも
- 「ランディングページが作れるようになった」
のほうが、よっぽど将来性を感じます。
編集後記
我々スモールビジネスは、資源が限られています。
その使い道には、熟考の価値があります。
- 積み上げらないことは、やらない
- その場凌ぎのことは、やらない
- 無理しないと継続できないことは、やらない
毎月のように集客に苛まれないためにも、資源の使い道を制限することをオススメします。
私も含め、人間はせっかちです。
できるだけ早く、売上を手にしたい。
これは、誰もが思うことです。
しかし一息入れて、こう考えましょう。
- どんなプロセスが必要か
- 必要な成果「物」は何か
そして、そのプロセス作りに集中する。
そうすることで、その場凌ぎの手法や行動を避けることができます。
急がば回れ。