スモールビジネスオーナーにとっての読書。
これは、呼吸することくらい、当たり前かもしれません。
ウチでも、メンバーと最近読んだ本について話します。
- 「あの本どうだった?」
- 「〜が参考になったから、早速やってみた」
日常茶飯事のやり取りです。
このように話していると、ふと気づくことがあります。
それは、読書を通して印象に残っていることは、1つか2つだということ。
ほとんど覚えていない
1冊まるごと読んだとしても、覚えていることは、雀の涙ほどです。
人間の記憶力を当てにしてはいけませんね。
(むしろ1冊の本で、1つでも知見が得られれば、万々歳だと思ってます)
でもこれは、むしろ、良い傾向でしょう。
趣味の読書は別として、商売における読書の目的は、思考や行動のヒントを得るためです。
極端に言えば、そこにつながる情報だけで十分。
自分に都合の良い情報だけ記憶する
もっと言えば、「自分に関係あること」だけ知れればいいんです。
その他の内容は、例え勉強になったとしても、すぐに忘れてしまいます。
残念ですが、忘却曲線と人間の本能には抗えません。
結果、覚えていることは、1つか2つ。
このあたりは、情報発信する側が、覚えておいた方が良い前提です。
読書のような受け身形式なら、問題ありません。
しかし、情報の発信者側であれば、ただごとではありません。
たくさん伝えても、伝わってない
書籍には、文字が所狭しと書かれていて、情報が大量に含まれています。
ところが、読み手に残る情報は、雀の涙。
特に、ネットで商品を販売している方は、細心の注意を払いましょう。
- ノウハウ
- 自らの主張
- 商品の特徴
- 他社との違い
- 理念
- 社長の思い
- 最新の統計データ
- お客さんの声
これらを、ランディングページ、ウェブセミナー等でプレゼンする。
伝えたいことは、山ほどあるでしょう。
どれも、大切な情報です。
しかし、たくさん伝えると、どうでしょう。
最終的に、受け手に残る印象は、明確でしょうか。
おそらく、ぼやけるでしょう。
記憶に残るのは、雀の涙
情報が多すぎるんです。
「色々勉強になったし、なんか凄そうだけど…」
明確な行動(購入)はしてくれません。
あなたが受け手の立場だとしたら、どうでしょう。
余計なものは削ぎ落として、伝える
ここでの問題は、「多くを伝えていること」です。
多くを伝えても、残るのは極わずか。
であれば、増やすのではなく、絞りましょう。
余計なものを削ぎ落とすことで、受け手の印象に残ります。
- 「あれも伝えたい」
- 「これも知ってほしい」
ついつい情報を増やしがちですが、逆に引き算が必要だということです。
「情報が多い=人が動く」ではない
商品がうまく売れない人ほど、多くを伝えたがります。
しかし、真実は逆です。
あれこれ言わずに、減らしてこそ、伝わるのです。
情報が増えれば増えるほど、受け手は混乱します。
その中に超重要な内容が含まれていても、その他情報が多い分、濃度は薄まります。
引き算の美学
千利休が、秀吉を「一輪の朝顔」で感動させた話も有名ですよね。
朝顔は、群れて咲く花。
その朝顔を、わざわざ一輪だけ活けた。
引き算の美学です。
足したり、増やしたりする発想を一旦捨てましょう。
代わりに、引いたり、減らしたりする発想を持ちましょう。
とりあえず、食材買ってきて
あなたが、買い物をお願いされたとします。
「とりあえず食材欲しいから、玉ねぎ、トマト、じゃがいも、にんじん…買ってきて」
という具合に、30種類以上の買い物をお願いされたらどうでしょうか?
そもそも、買い物に行くのも億劫になってしまいますよね。
高確率で、買い忘れも発生するでしょう。
カレーの材料買ってきて
では、以下の場合はどうでしょう。
「カレーを作りたいから、玉ねぎ、にんじん、、牛肉を買ってきて」
うん、これなら簡単そうです。
カレーを作るための、材料だけ買えばいいのですから。
買い忘れもなさそうです。
愛の告白も同じ
好きな人に告白するときも、同じことが言えます。
あれこれ言いすぎて、「結局何が言いたいの?」となってしまっては、お付き合いも始まりません。
「好きです」が伝わらないと、だめなんです。
商品・サービスを販売するときのポイント
商品・サービスを販売するときも、この引き算を行いましょう。
どう引き算するか。
「こちらの伝えたいこと」を言うのではなく、「受け手の知りたいこと」だけ伝えるのです。
そのためには、
- 受け手は誰か
- どんな課題を抱えているか
- どんな願望を抱いているか
- どんな言葉を使うか
これを考える必要があります。
とにかくシンプルに
材料を集めて、メッセージを練りましょう。
これらに当てはまらない、余計な情報は省く。
「このプレゼンテーションで伝えたいことは○○だ」
これくらいシンプルにしましょう。
書籍を参考にしてみても、良いかもしれませんね。
削る勇気がない?
「伝えることを削ってしまうと、不安…」という方もいるかも知れません。
大丈夫です。
たくさん伝えたところで、どうせ覚えていませんから。
むしろ伝えすぎて、大切なことがぼやけてしまうことを心配しましょう。
トマトジュースを作りたいのに、あれこれ野菜、フルーツを入れたら、トマト味が薄まります。
編集後記
ワンプレゼンテーション・ワンメッセージ。
伝えることを1つに絞ると、人は動いてくれます。
早速、引き算の練習をしましょう。
欲張っていけません。