ここ最近は、スモールビジネスオーナーだけでなく、
「これから起業します」
という方とも、話す機会が増えました。
よく聞く悩み
起業志願者の悩みでよくあるのが、
- 提供するものが、ほか(競合)と似通っている
- これじゃ、差別化が難しい
- だから不安で、起業に踏み込めない
というものです。
自分の商品・サービスに自信が持てない気持ちはわかります。
まだ、市場で売れていないわけですから、当然です。
もったいないなぁ
しかし私たちは、こういった話を聞くと、
「もったいないなあ」
と思うのです。
起業するかしないかの判断は、各人の自由ですから。
とやかく言うつもりはありません。
ただ、心にしこりが残ります。
「競合と似ている」は悪いこと?
「競合と似たような商品になってしまうから、ダメだ」
こんな理由で、自分の夢を諦めてしまうのは、どうなのでしょか。
せめて、、、
「競合と似たような商品になってしまうから、ダメだ」
を、少し違った観点から考えてみてはどうでしょう。
ほかもやっているしな〜
これは、既にスモールビジネスを行っている方も、ぜひ再考してみましょう。
- 現在、販売中の商品・サービス
- これから売ろうとしている、商品・サービス
- 企画真っ只中のアイディア
これらを考える時に、ついつい、
- 「ほかも似たようなことやってるし…」
と逃げ腰になっていませんか。
実際お客さんと話をすると、
- 「○○という会社がやってるから、ウチがやってもな…」
と、控えめな方が多いことに驚きます。
周りがどうかは関係ない
例え、ほかの競合が同じような商品を販売していても、関係ありません。
お客さんに届けたい気持ちがあるのなら、提供するべきです。
むしろ、それを責務とも考えていいでしょう。
競合が提供していて、うまくいっている。
ということは、あなたにもチャンスがあります。
ほかと同じでいい
要するに、「競合と同じ商品でいい」ということです。
- スマートフォン
- カメラ
- ワイヤレスイヤホン
- ラーメン
- タピオカ
世を賑わす大手の企業でさえ、そうです。
- 同じような機能
- 同じようなデザイン
- 同じような味
大ヒットしている商品でさえ、似通ってるものが多いですよね。
類似商品
ある商品がヒットすれば、ほかの企業やメーカーが真似します。
そして、類似商品を発売します。
ほかと同じでいいんです。
みんな似ている
いわんや、スモールビジネスなら、なおさら真似しましょう。
真似するといより、自然とそうなりませんか?
- カウンセラー
- コーチ
- コンサルタント
- 治療院
- ネイルサロン
- パーソナルトレーナー
- 料理教室
- …etc
みんな同じようなものを扱っていませんか?
だから、同じで良い
少なくとも素人目線から見れば、そう見えてしまいます。
(もちろん各々、希少な専門性があることは、言わずもがな)
でもぱっと見、似たようなものを提供している。
だから、同じでいいんです。
古典落語と新作落語
ここでちょっと落語の話を。
伝統芸能として愛されている落語ですが、落語には大きく、
- 古典落語
- 新作落語
の2種類があります。
私たちに馴染みがあるのは、古典落語ですね。
- 『寿限無』
- 『芝浜』
- 『死神』
といった演目を聞けば、ご存知の方も多いはずです。
古典落語は、ずっと演じられ、ファンからも愛されているベストセラー作品です。
過去の傑作をどう演じるか
同じ噺(はなし)を何度も聞く。
一見すれば、「何が楽しいの?」と思うかもしれません。
しかし、それが落語の醍醐味です。
落語家が、「過去の傑作をどう演じるか」を楽しむ芸。
これが、落語です。
同じ『芝浜』という噺でも、「〜さんのやる芝浜は好き」という人がいる。
同じ噺を何回やっても飽きません。
むしろ、世代を超えて愛されていくのです。
新しいものを生み出す必要はない
この古典落語の話、スモールビジネスでも同じです。
商品を提供するとなると、ついつい「真新しいものを」と考えてしまいます。
シリコンバレーの最先端企業なら、わかります。
しかし我々は、しがないスモールビジネスです。
真新しいものなんて、作れません。
古典落語と同じ
作れればいいですよ?でも実際問題、難しいですよね。
でも大丈夫です。既存のものに取り組みましょう。
競合がやっていることを、真似すればいいんです。
ネタは、もう目の前にあります。
落語家の古典落語と同じです。
ほぼネタは決まっている。
後は、それを演じればいいんです。
既存ものをどう演じるか
斬新なものを提供するのには、無理があります。
であれば、既にある傑作(広まっている商品)を提供すればいいんです。
- どうしたら斬新な商品が作れるか
- 既にあるネタをどう見せるか(演じるか)
頭を使うのは、後者の部分です。
見せ方=演じ方
私たちの知り合いでも、うまく行っている人は、「見せ方」がピカイチです。
残念ながら、初期段階では「商品の質」は理解されません。
肝心の集客が’難航しないためにも必要なのは、「見せ方」なんですね。
すぐに実践できる「見せ方」
ここで、「見せ方」のヒントをお伝えします。
「見せ方」といっても、心配無用です。
落語家のように、長年稽古が必要なものではありません。
ちょっとした工夫が劇的な変化に繋がります。
5つのヒント
競合の似たような商品を見た時に、以下を考えてみましょう。
- 対象(ターゲット)を変える
- +αの付加価値を付ける
- デザイン変える
- 世界観を変える
- キャラクターを立てる
こういった工夫で、見え方はガラッと変わります。
- ほかが「初心者向け」なら、ウチは「上級者向け」
- ほかが「キラキラ系」なら、ウチは「ありのまま」
- ほかが「スパルタ系」なら、ウチは「優しい系」
- ほかが「3回までの相談」なら、ウチは「無制限の相談」
少しズラして、アイディアを考えてみましょう。
一部違うけど、ほかは同じ
同じような商品だけど、一部が変われば、その分市場も変わります。
- 競合が取りこぼしていた層
- 競合の雰囲気に違和感を感じていた層
こういった人たちに届くようになります。
変えるのは一部だけ。
ほかと同じでいいんです。
書籍を参考にしてみても、良いかもしれませんね。
編集後記
必要なのは、「商品開発力」ではありません。
必要なのは、「演出力、見せ方」です。
起業は、師匠からの許可は必要ありません。
あなたが主人です。
謙虚なことは素晴らしいことですが、ここは、攻めてみましょう。
誰かの傑作は、実践するうちに、あなたの傑作に変わりますから。