「いい湯だな〜」
先日家族で1泊2日の旅行に行ってきました。
行き先は福島県と栃木県。大内宿と言う古民家の並ぶ観光地を堪能し、出川哲朗と遭遇し、日光の湯西川と言う温泉エリアで露天風呂を満喫し、素敵な旅となりました。
2日目のお昼、龍王峡というスポットに立ち寄りました。
日光市の鬼怒川の上流部にある峡谷です。虹のかかった滝は幻想的でした。
滝を見終わると、「そろそろお腹減ってきたな〜」という時間でした。
龍王峡でご飯を済ませていくかという話になり、お店を探しました。
すると、そこには5つほどの飲食店、定食屋がありました。
紅葉シーズンでもない限り日光はさほど客足が少ないので、飲食店の主たちも客寄せに必死でした。
店頭に立ち、「さぁ寄って行って、美味しいよ〜」と声をかけてきます。すごい勢いでセールスしていたので、驚きました。
とは言え、5つの中から選ぶしか選択肢は無いため、僕たち家族は悩みました。
どの店も美味しそうだったため、しばらく家族会議をしていました。
ふとお店のお客さんの流れを見ていると、1店舗だけ、目立って繁盛しているのです。
店内は他の店舗に比べ、お客さんが多く座っていました。
結局まだ小島家も、一通りチェックした結果、その繁盛店で昼食を済ませました。
天ぷらうどんを注文し、美味しくいただきました。
お腹もいっぱいだったのですが、私の頭の中もいっぱいでした。ある疑問で埋め尽くされていたんです。
それは、「なんでこの店だけこんなにお客さんが来るんだろう」ということでした。
こういったことが気になると原因を追求したくなるタイプなので、それぞれのお店に立つ、客引きの人たちを全員研究しました。
すると、納得しました。
繁盛店の客引きの技法
なぜ、ある1店舗だけが目立って繁盛したのでしょうか。そこには明確な理由がありました。
どの店舗も、店頭でお客さんに声をかけ、セールスしていた事は共通です。
違ったのはその内容です。
他の店舗の声のかけ方は、
「うちの蕎麦はうまいよ、うちの定食は色々あるよ〜今なら空いてるから寄って行ってください〜」
という、ごく普通の宣伝文句でした。
通行人たちは、そのまま通り過ぎる人がほどんどでした。
ところが繁盛店は違います。
繁盛店のセールスマンは、その定食屋の料理については何も言いませんでした。
「ん?飲食店なのに食事メニューのことを伝えなくて大丈夫なの?」
と一見思いますよね(笑)。
じゃそのかわりそのセールスマンは何を語っていたのでしょうか。
それは、龍王峡(私達家族が訪れた観光スポット)の観光の方法でした。
「ここを右に曲がると、滝があるよ。この角度からがベストなシャッターポイントだよ」
「11月の第二週目あたりが、紅葉のピークだよ。かなり混雑するから、駐車場はあのあたりに止めたほうがいいよ」
と、料理とは全く関係のない話題から話し始めました。
龍王峡に来たお客さんの目的は、もちろん観光です。
そのため、そのセールスマンの話す内容にはもちろん興味があるわけです。
ここで初めて、足を止めてもらえるわけですね。
足を止めたお客さんは、セールスマンの話に耳を傾けます。観光客として知っておきたい情報だからです。
さらにそのセールスマンは、紅葉のピークの頃の写真を見せ始めました。
その写真は額縁に飾ってあり、店内にありました。
「ほら、ピークになるとあんなきれいになるんだよ」と案内されると、聞いていた人たちは思わず店内に足を踏み入れました。
お客さんの興味が惹けたと感じたセールスマンは、ここで初めて定食のメニューの説明を始めます。
「今ちょうどお昼時だからお腹減ってるでしょう?うちのメニューはね…」
というような調子で、食事に焦点を当て始めました。
お客さんは、その場の流れで話に聞き入っていきました。もちろん、うちの家族もその餌食の1人です(笑)。
さて、ここにはウェブ集客における重要なルールが隠されています。気付きましたか?
売りたいものはすぐ見せない
凄腕定食屋セールスマンから学ぶことがあります。
あなたのウェブマーケティングにおける、集客のやり方に大きなヒントを与えてくれます。
あなたは、観光に来たお客さんに対していきなり食事を売っていませんか?
食事は人間の3大欲求の1つなので、売りやすいと思います。
しかし事実として、その他の店舗の声かけの人たちは、スルーされていました。
観光客からすると、食事はしたいけれども、これという決め手がなかったんだと思います。
- いまいち申し込み率が上がらない
- ランディングページを広告に出しても、広告費ばかりかかってしまう
というケースをよく耳にしますが、これはまさに食事を最初に提案してしまっているケースです。
本当に売りたいものが食事であっても、いきなり食事を提案するのではなく、お客さんが”とりあえず欲しいもの”をまずは提供しちゃいましょう。
観光情報=無料オファー
ではもっと具体的にウェブ集客にどう当てはめるか、について考えていきましょう。
本当に売りたい商品については、既にお持ちだと思います。今回の例で言えば、食事メニューですね。
では次に、お客さんの興味の湧きそうなテーマについて考えて見ましょう。
観光情報のようなものです。それはあなたの会社の場合なんでしょうか?
難しく考えず、情報でいいと思います。今現在、お客さんが欲している情報は何なのかを考えます。
定食屋のセールスマンは、観光スポットの情報を詳細に教えてくれて、お客さんの観光がより良いものになるように情報を与えてくれました。それに対する感謝の気持ちも、来店の動機になるわけです。
まずはターゲットにとって役に立つ情報を提供し、少しでもお客さんとの距離を縮めましょう。
密かに使ってた、強力なキーワード
この定食屋のセールスマンが、密かに行っていた、さらなる技があります。
役に立つ観光情報を話しながらも、繰り返しあるキーワードを連呼していました。
それは、”常連さん”というキーワードです。
「この絵は常連さんが描いてくれてね」
「この猫のぬいぐるみは常連さんが作ってくれたんですよ」
「うちの常連さんがいつも注文する定番メニューですよ」
事あるごとに、常連さんという言葉を使っています。
心理学用語で言えば、社会的証明といったことでしょう。
「常連さんがいるという事は、きっと味もおいしいに違いない」と考えるのが普通ですよね。
観光情報の提供は、返報性の原理が働いています。「こんなに良くしてくれるんだから、なんか買わないとね」というやつです。
本人が意図して使っているかわかりませんが、こういった心理学の要素が組み合わさったセールスをしているから、1店舗だけ繁盛しているのでしょうね。
飲食店でなくても、今回の返報性の原理や社会的証明は活用することができます。思わず、ふと足を止めてしまうオファーをしてみましょう。
ウェブ集客では、無料オファーで返報性を働かせて、商品・サービスの案内の時に社会的証明を使ってみましょう。
- まずは先にベネフィットを与える、返報性
- 人気者感を演出する、社会的証明
この2つを忘れずにいてください。
また、お役立ち情報をブログに書くこともいいですね。
ただ、ブログ記事にアクセスを待っているのは途方に暮れるので、ブログ記事自体を広告にかけてしまうのもありです。
すべきことがたくさんあると思いますが、こういったシンプルなことができるだけで、だいぶ成果は変わってきます。
多くをやろうとせず、こういった1つのアイディアを試してみましょう。
1日もあればできることですからね。