「戻ってくる力が大事」
秋元康さんは、あなたも知っていると思う。AKB48グループのプロデューサーで、企画力が優れていることで有名だ。AKBをプロデュースしたこともそうだし、美空ひばりやとんねるず、ジェロなどの歌の作詞をされたことでも知られている。また、『企画脳』という本も出版されている。(ちなみにこの本、とてもオススメだ。)
そんな秋元さんの、インタビュー映像を先日見た。未来ビジョンという番組で、アイデアの発想法、コンテンツとメディア、これからの日本などについて話していた。そのインタビューの最後で、「今の若い人に伝えたいことは?」と聞かれて、こう答えていたのだ。
「人間、必ず間違える。間違えないのは難しい。だったら、右と左の道があったら、全力でどっちかにいくこと。そのときに、”戻ってくる力”が大事。」と、このようなことを答えていた。この言葉を聞いて、素直に「刺さるな〜」と思ったのだ。(素直に)と同時に、これは若者だけに限らないし、我々のようなスモールビジネスでも同じことだと感じた。
効果測定なんてやらなくていい?
「ウェブ広告って効果ありますか?」
スモールビジネスオーナーと話していると、広告の費用対効果について聞かれることがある。
- ウェブ広告って効果ありますか?
- 1日の広告費用の目安っていくらくらいですか?
- どうやってコンバージョンを測定すればいいですか?
お金を使うということもあって、さまざまな不安があるようだ。中でも、一番よく聞くのが、「まだ、広告を出す段階じゃないと思うんですよね」というもの。
きちんと効果測定の方法とかがわかっていないので、それがわかってから広告を始めたいという。だけど、秋元康さんの言葉に学ぶのであれば、効果測定なんて、はじめからやる必要はない。
広告を活用することができていない人に共通するのは、最初から完璧を追い求めているということだ。言葉を変えると、「間違えないように」やろうとする。でも、秋元さんも言っているように間違えたっていいのだ。広告というのは、今も昔も不変の集客手法だろう。はじめは間違えても、取り組み続ける価値がある。つまり、「将来性」のある手法なのだ。
仮に出稿方法を間違えたりして、100万円損したとしよう。その出費はそんなに痛いだろうか?誤解を恐れず、極端にいえば、広告運用における最初の100万円の損など小銭だ。その後に広告をきちんと運用できるようになれば、100万円の損など、あっという間に回収することができる。
間違えないように取り組んでいては、いつまでたっても広告を活用することなどできない。最初から自分に厳しくするのではなくて、間違えることを受け入れて、取り組むことをおすすめする。秋元さんが言うように、大切なことは、間違えないことじゃなくて、間違えた後に戻ってくることなのだから。
編集後記
日本には昔から「分をわきまえる」という素晴らしい考え方がある。
逆説的だが、はじめから完璧にやるという驕りを捨てよう。
「間違えても仕方がない」と分をわきまえることで、新しいことに挑戦し続けていくことができる。