- 「ラッスンゴレライ」
- 「ダンソン」
- 「あたりまえ体操」
お笑い好きならもちろんのこと、そうでない人でも、これらのフレーズを聞いたことがあるだろう。そう、これまでにブレイクしたお笑い芸人のリズムネタだ。それぞれ、ラッスンゴレライ=8.6秒バズーカー、ダンソン=バンビーノ、あたりまえ体操=COWCOWのネタである。
もしかすると、コンビ名よりもネタで名前を覚えているかもしれない。テレビによく出てくるお笑い芸人のネタのジャンルとしては、「1.漫才、2.コント、3.リズムネタ」の大きく3つがある。人によっても違うのだろうが、一般的にはおおむね上記の順番で、ネタの格式が決まってくるようだ。
簡単に言うと「漫才をやるのが一番エラくて、リズムネタはあまりエラくない」ということだ。これは、演者であるお笑い芸人だけでなく、視聴者にも共通の認識といえる。リズムネタの格式が低い理由の一つは、「ほとんどが一発屋」ということがある。
リズムネタは、ブレイクがしやすい反面、人気がなくなるのも早い。こうした理由から、リズムネタというのはよく批判を受けている。一発屋以外にも、ヤフーやグーグルで検索窓に「リズムネタ」と入力すると、「嫌い」という言葉が一緒に検索されている。
わざわざサジェスト機能で出てくるくらいだから、よっぽど検索されているのだろう。でも、このリズムネタ。そんなにダメなものなのだろうか?
リズムネタはわかりやすい
リズムネタのいいところは、頭を使わなくても良いところだ。なんだかよくわからないけど、おもしろい。漫才やコントというのは、ネタを作る芸人はもちろん、視聴者にもある程度の頭が要求される。
背景や前提知識、想像力、思考力がないと、芸人がおかしなことを表現しても、それをおかしいと感じることができない。いわゆる「緊張と緩和」が生まれないからだろう。緊張というのは、知識や経験がなければ生まれづらいことは、大人のあなたなら知ってる通りだ。
右も左も分からない子供の方が、大胆にできたりする。緊張がなければ、緩和も当然生まれない。つまり、笑いが起きない。漫才やコントの難しさは、こういうところにもあるんじゃないだろうか。(まぁ、詳しくは知らないが。)
その点、リズムネタは頭を使う必要がない。知識や経験が、必要ない。背景や前提知識も、必要ない。想像力や思考力も、必要ない。つまり、漫才やコントよりも「わかりやすい」。だから、ハマったときには一気にブレイクする。
「わからない」という壁に、ぶち当たることがないからだ。ということは、リズムネタを足がかりにするのはとても有効といえる。問題は、その後だ。多くのリズムネタ芸人が一発屋で終わってしまうのは、リズムネタ自体が原因ではないだろう。
トークやコメントができないなど、ネタ以外の部分が圧倒的に弱いことが原因だ。(違うだろうか。)せっかく「ひな壇」に抜擢されたのに、何一つ面白いことが言えないのであれば、継続的に番組に呼ばれるはずもない。だから、ネタ「一発」で終わってしまう。
つまり、「ネタとトーク」の両方が合わさって、はじめて一発屋卒業といえる。これは、ブログをはじめとした情報発信でも同じことなのだ。
漫画や会話はわかりやすい
「わかりやすい方がいい」というのはお笑いだけじゃなく、ブログをはじめとした情報発信でも同じことだ。最近の、「漫画形式で学ぶビジネス本」や「会話形式のブログ記事」の流行を見れば明らかだろう。つまり、今の時代は「わかりやすさ」がどのジャンルでも求められている。
(もちろん、何でもかんでも「わかりやすい」ということだけに価値があるわけじゃないのは言うまでもない。)
リズムネタに学ぶのであれば、ブログ記事も、文字だけで表現するのではなく、漫画や会話形式などを取り入れてみることも有効といえる。文字だけだと、読者に背景や知識、想像力、思考力などがないと、読み進められないかもしれないからだ。
「文字だけ=漫才」、「漫画や会話=リズムネタ」みたいなイメージだ。当然、リズムネタ芸人がネタだけじゃなく、トークやコメント力が必要なように、ブログ記事もただ単純に、漫画や会話形式にすればいいわけじゃない。
前提として、内容が的確なものであったり、文章が役に立つものである必要がある。つまり、芸人がそうであるように、「本物」である必要がある。でも、ブレイクの足がかりとしてはリズムネタと同じように、漫画や会話形式の記事も有効だ。
あなたのブログ記事は、漫才やコントだけになっていないだろうか?たまには、リズムネタのようなわかりやすいものも混ぜてみることをおすすめする。
編集後記
リズムネタを批判する気持ちもわかるが、新しいものは受け入れる又は活用する方が得策ではないだろうか。
リズムネタが流行しているということは、それが受け入れられやすいということだ。
自らがお笑い芸人ならいざ知らず、そうじゃないなら、難しいことは考えずに「サッサと取り入れる」が賢い選択だろう。