前回は、ChatGPTとCodexを開発パートナーにして、「自分専用AI週報」を作っていった方法をお伝えしました。
今回は、いよいよn8n版「自分専用AI週報」の全体像です。
Google Apps Script版では、RSSを取得し、Geminiに要約させ、Gmailで送るところまで実現できました。
ただ、情報源を増やしたり、重複送信を防いだり、途中の処理を確認したりするには、少しずつコードが複雑になっていきました。
そこで、n8nへ移行し、処理の流れを画面上で見ながら組み立てられる形にしました。
結論から言うと、n8n版「自分専用AI週報」は、単にニュースを集めてメールで送るだけの仕組みではありません。
公式情報を集め、私に関係ある情報を選び、重複を減らし、毎週見やすい形で届けるための仕組みです。
この記事の要約
- n8n版「自分専用AI週報」は、情報取得、選別、要約、メール送信をノードでつないだ仕組みです。
- 10種類の公式情報源から更新情報を集め、Geminiが私向けに重要な内容を選びます。
- 手動テストでは、情報取得からGmail送信までの流れを確認できました。
- 定期実行時に送信履歴を保存し、同じニュースを繰り返し送らない設計にもしています。
n8n版「自分専用AI週報」の全体像
n8n版「自分専用AI週報」は、次のような流れで動きます。
- 手動または決まった曜日・時刻に起動する
- 複数の公式情報源から更新情報を取得する
- 情報源ごとに、データの形をそろえる
- 古い情報を除外する
- 過去に送ったニュースや重複候補を除外する
- Geminiに候補を渡し、重要な更新を選ばせる
- メール用のHTMLに整形する
- Gmailから「自分専用AI週報」を送信する
- 定期実行の場合だけ、送信履歴を保存する
文章にすると長く見えます。
ただ、n8nでは、この処理がノードと線で見えるようになります。
- 「どこから情報を取っているのか?」
- 「どの段階でAIを使っているのか?」
- 「どこからメールを送っているのか?」
この流れを画面上で確認できる点が、n8nの大きな良さです。
最初の入口は、Manual TriggerとSchedule Triggerです
「自分専用AI週報」には、2つの入口があります。
| 入口 | 役割 |
|---|---|
| Manual Trigger | 人間が画面上で実行するための入口 |
| Schedule Trigger | 決まった曜日・時刻に自動実行するための入口 |
- Manual Triggerは、仕組みを確認するときに使います。
- Schedule Triggerは、毎週決まったタイミングで「自分専用AI週報」を送るために使います。
ただし、一つ注意点があります。
- Manual Triggerでも、Gmailノードまで処理が進めばメールは送信されます。
手動実行だから、安全というわけではありません。
この点は、実際にテストしてみて改めて理解しました。
情報源は、公式情報を中心に集めます
「自分専用AI週報」で重視したのは、情報源です。
AIニュースは、SNSや動画でも知れます。
ただ、更新内容を正確に確認したい場合は、できるだけ公式情報を見た方が安心です。
現在の仕組みでは、主に次のような情報源を対象にしています。
- Google Workspace Updates
- WordPress Developer Blog
- OpenAI公式ニュース
- Google Gemini公式ブログ
- Canva Developers Blog
- n8n公式ブログ
- Anthropic公式ニュース
- Dify公式ブログ
- n8nのGitHub Releases
- DifyのGitHub Releases
ここで大切なのは、情報源を多くすれば良いわけではないことです。
自分たちの仕事に関係ない情報まで増やすと、結局また情報に埋もれてしまいます。
- 「このは屋のお客様に役立つか?」
- 「スモールビジネスが1か月以内に試せるか?」
この基準に関係する情報源を中心にしています。
取得方法が違う情報を、同じ形にそろえます
情報源によって、取得の方法は違います。
- RSSで取得できるサイトもあります。
- Sitemapから更新情報を探すサイトもあります。
- GitHub Releasesのように、APIから取得する情報もあります。
そのままでは、情報ごとに項目の名前や形式がばらばらです。
そこでn8nでは、情報源ごとにデータを整える処理を入れました。
| 共通項目 | 内容 |
|---|---|
| sourceName | どの情報源から取得したか |
| sourceType | RSS、Sitemap、GitHub Releaseなどの種別 |
| title | 記事や更新のタイトル |
| url | 公式ページのURL |
| publishedAt | 公開日時 |
| summary | 概要 |
| uniqueKey | 重複判定に使う識別子 |
これにより、取得方法が違う情報でも、後の処理では同じように扱えるようになります。
たとえば、RSSの記事でもGitHubの更新でも、「タイトル」「URL」「公開日」がそろった候補としてGeminiへ渡せます。
古いニュースと重複候補を減らします
毎週送る仕組みでは、古いニュースを何度も候補に入れないことが必要です。
そこで「自分専用AI週報」では、まず直近8日以内の更新だけを候補に残すようにしました。
7日ではなく8日にしているのは、週と週の境目で取りこぼしが起きにくくするためです。
さらに、同じURLのニュースが複数の情報源から入ってきた場合もあります。
そこで、候補ごとにuniqueKeyを持たせ、同じ実行内で重複するものを減らす設計にしました。
ただし、URLが違えば、同じ内容でも別の記事として扱われる可能性があります。
この部分は、今後も改善できる余地があります。
Geminiは「要約係」ではなく「編集者」として使います
情報を集めただけでは、「自分専用AI週報」にはなりません。
大切なのは、その中から何を読むべきかを選ぶことです。
そこでGeminiには、単に要約するだけではなく、私向けの編集者として判断してもらいます。
Geminiへは、たとえば次のような条件を渡します。
- 集客、コンテンツ制作、会員サポート、業務効率化に役立つか?
- AIエージェント、業務自動化、アプリ作成に関係するか?
- 1か月以内に試せるか?
- 候補にない事実や推測を追加しないこと
- 単なる新モデルの発表は基本的に除外すること
このような条件を渡すことで、単なるニュース一覧ではなくなります。
- 「今週、何を試すか?」
- 「どの変化が、私に関係するか?」
という視点で読める週報になります。
メールは、人が実際に読む形に整えます
Geminiが出力した文章を、そのままメールで送るだけでは、読みにくくなることがあります。
そこで、見出し、段落、箇条書き、リンクなどにメール用の整形を加えました。
メールの構成は、主に次のような形です。
- 今週の結論
- すぐ試す価値がある更新
- 今週の実験候補
- 記事・メルマガ・動画のネタ候補
重要なのは、情報量を増やすことではありません。
メールを開いたときに、今週見るべきことがすぐ分かることです。
情報収集の仕組みを作ると、つい多くの情報を入れたくなります。
ただ、実際に使う側からすると、「まず何を見れば良いか?」が分かる方が役立ちます。
送信履歴を残して、同じニュースを繰り返し送らないようにします
「自分専用AI週報」では、重複送信を防ぐ仕組みも入れました。
n8nのWorkflow Static Dataという保存領域に、送信済み候補の識別子を一定期間残す設計です。
定期実行では、過去30日以内に送った候補を除外します。
一方で、Manual Triggerによるテスト実行では、履歴を更新しないようにしています。
これは、テストしただけで送信済み扱いになってしまうと、本番で必要な情報まで除外される可能性があるからです。
| 実行方法 | メール送信 | 送信履歴の更新 |
|---|---|---|
| Manual Trigger | Gmailノードまで進めば送信される | 更新しない設計 |
| Schedule Trigger | 定期実行として送信する | 更新する設計 |
ここは、仕組みを実際に運用するうえで重要な部分です。
単に動くかどうかだけではなく、テストと本番をどう分けるかまで考える必要があります。
手動テストで確認できたこと
n8n版「自分専用AI週報」は、まず手動でテストしました。
確認できた主な内容は、次のとおりです。
- n8nへワークフローをImportできた
- Manual Triggerで実行できた
- 赤いエラー表示がない状態で最後まで進んだ
- Gmailからテストメールを送信できた
- 候補の作成と、Geminiへの受け渡しを確認できた
- Manual Triggerでは送信履歴を更新しないことを確認できた
手動テスト時には、Geminiへ渡す候補が、数十件ありました。
その中から、Geminiが私に関係する更新を選び、メールとして受け取れる状態まで確認できました。
n8n版「自分専用AI週報」は、「自分専用AI編集者」の土台になります
今回作った仕組みは、AIニュースをメールで送るだけのものではありません。
将来的には、次のような仕組みの土台になると考えています。
- AIニュースからブログ記事テーマを選ぶ
- 記事の構成案を作る
- メルマガのネタを出す
- YouTubeやショート動画の企画を作る
- 私向けの実験候補を整理する
つまり、「自分専用AI週報」は、情報収集の自動化から始まる「自分専用AI編集者」の土台になります。
- まずは、毎週の情報収集を整える。
- 次に、集めた情報をコンテンツや実験へつなげる。
この順番なら、AIを単なる便利なツールではなく、仕事の仕組みとして育てていけます。
まとめ
- n8n版「自分専用AI週報」は、情報取得、選別、要約、送信をつないだ仕組みです。
- 複数の公式情報源を共通の形にそろえることで、まとめて扱いやすくなります。
- Geminiには、単なる要約ではなく、私向けの編集者として判断してもらいます。
- Manual TriggerとSchedule Triggerでは、送信履歴の扱いを分けています。
- この仕組みは、将来、「自分専用AI編集者」へつながる土台になります。
次回は、OpenAI、Google Gemini、Anthropic、Canva、n8n、Difyなど、情報源を10種類まで増やした理由と、情報源を選ぶときの考え方をお伝えします。
前回の記事はこちらです。ChatGPTとCodexを開発パートナーにして「自分専用AI週報」を作った方法

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