前回は、Google Apps Script版の「自分専用AI週報」を運用して見えてきた限界と、n8nへ移行を決めた理由をお伝えしました。
ただ、n8nへ移行すると決めたものの、最初から順調だったわけではありません。
正直に言うと、Dockerもn8nも、ほぼ初めてでした。
- 「Dockerって何だろう?」
- 「n8nは、クラウドで使うものではないの?」
- 「ローカル環境で動かすとは、どういうこと?」
そんな状態からのスタートです。
それでも、ChatGPTやCodexに相談しながら、一つずつ進めていくことで、Mac上でn8nを起動し、「自分専用AI週報」の土台を動かすところまで進められました。
今回は、Dockerもn8nも未経験だった状態から、ローカル環境でAI週報を動かすまでにやったことを、できるだけ難しい言葉を使わずにお伝えします。
この記事の要約
- n8nを始めるために、最初にDocker Desktopを使ってローカル環境を作りました。
- Dockerは難しそうに見えますが、「n8nを動かすための箱を用意する道具」と考えると分かりやすいです。
- 最初から仕組みを理解し切るよりも、AIに聞きながら一歩ずつ動かす方が現実的でした。
n8nを使う方法は、大きく2つあります
n8nを使う方法は、大きく分けると2つあります。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| n8n Cloud | ブラウザですぐ始めやすい。有料プランが中心です。 |
| 自分のパソコンで動かす | Dockerなどを使い、ローカル環境でn8nを動かします。 |
今回は、後者を選びました。
できるだけ、無料で試したかったからです。
もちろん、自分のパソコンで動かす方法が、すべての人に向いているわけではないかもしれません。
ただ、このは屋としては、まず自分たちで試し、仕組みを理解し、必要に応じて次の選択肢を考えることを大切にしています。
つまり、今回も、DIY(自作)・内製化の実践です。
Dockerとは何か?最初は「n8nを入れる箱」と考えました
n8nをローカル環境で動かすときに出てくるのが、Dockerです。
Dockerという言葉を聞くと、急に難しく感じるかもしれません。
私も、最初はそうでした。
ただ、細かい仕組みを最初から理解する必要はありません。
今回の目的に限れば、Dockerは次のように考えると分かりやすいです。
- 「n8nを安全に動かすための箱」
パソコンの中に、n8n専用の小さな部屋を用意するようなイメージです。
その部屋の中でn8nを動かせば、普段使っているMacの環境に大きな変更を加えずに済みます。
また、n8nを停止したいときも、その部屋を閉じるような感覚で止められます。
最初にやったことはDocker Desktopのインストールです
最初の作業は、Docker DesktopをMacへ入れることでした。
Docker Desktopは、Dockerを画面上で管理しやすくするためのアプリです。
これを入れると、n8nの起動状態を確認したり、止めたり、再起動したりしやすくなります。
ここで大切なのは、Docker Desktopを入れただけでは、n8nはまだ動かないことです。
Docker Desktopは、あくまで「箱を管理する道具」です。
次に、その箱の中で、n8nを動かす設定が必要になります。
docker-compose.ymlという設定ファイルを作りました
n8nをDockerで動かすために、docker-compose.ymlという設定ファイルを作りました。
名前だけを見ると難しそうですが、役割は単純です。
このファイルには、次のようなことを書きます。
- どのアプリを動かすか?
- どのポート番号で開くか?
- データをどこへ保存するか?
- 再起動時にどうするか?
今回でいうと、Dockerに対して、次のようにお願いするためのメモです。
- 「n8nを起動してください」
- 「ブラウザからアクセスできるようにしてください」
- 「ワークフローのデータを保存してください」
最初から、自分で設定内容を考えたわけではありません。
ChatGPTやCodexに相談しながら、必要な形を少しずつ作りました。
ここでも重要だったのは、内容を全部暗記することではありません。
- 「この設定は、何のためにあるのか」
を少しずつ理解することでした。
ターミナルからn8nを起動しました
設定ファイルを作ったら、次はターミナルを使って、n8nを起動します。
ターミナルと聞くと、黒い画面に文字を打ち込むイメージがあるかもしれません。
たしかに、最初は少し抵抗があります。
ただ、今回使った操作は、基本的には数行だけでした。
n8nを起動するために使ったのが、次のようなコマンドです。
- docker compose up -d
このコマンドを実行すると、Dockerが必要なファイルを取得し、n8nを起動してくれます。
実際に、次のような表示が出たときは、かなり安心しました。
- Container n8n-local-n8n-1 Started
難しい仕組みを全部理解できていなくても、「起動した」という結果が見えると、次へ進みやすくなります。
ブラウザでlocalhost:5678を開きました
n8nが起動したら、ブラウザで次のアドレスを開きます。
- http://localhost:5678
localhostとは、簡単に言うと「今使っている自分のパソコン」です。
つまり、このアドレスを開くと、インターネット上のどこかではなく、自分のMacで動いているn8nにアクセスできます。
画面が開いたときは、少し感動しました。
それまでコードや設定ファイルの中にあったものが、実際の画面として見えたからです。
ここから、RSS取得、Gemini、Gmailといった処理を、ノードと線で組み立てていくことになります。
最初から全部分かろうとしないことが大切でした
今回の作業を通して感じたのは、Dockerやn8nを使うときに、最初から全部理解しようとすると止まりやすい、ということです。
たとえば、Dockerには本来、かなり多くの概念があります。
- イメージ
- コンテナ
- ボリューム
- ネットワーク
- Compose
もちろん、知っておくと便利でしょう。
ただ、最初の目的は、Dockerを勉強することではありません。
今回の目的は、「自分専用AI週報」を動かすことです。
そのため、最初は「n8nを起動するために必要なところ」から理解していけば十分でした。
- 分からない部分は、AIに聞く。
- 一度動かしてみる。
- エラーが出たら、画面やメッセージを見せて聞く。
この繰り返しで進めました。
AIに聞きながら進めると、初心者でも前に進めます
以前であれば、Dockerやn8nを始めるには、
- 本を読んだり、
- 長い解説動画を見たり、
- 詳しい人に聞いたり、
する必要があったかもしれません。
今は、ChatGPTやCodexに、目の前の疑問をそのまま聞けます。
たとえば、次のような聞き方です。
- 「Docker Desktopを入れました。次に何をすればよいですか?」
- 「このエラーは、何を意味していますか?」
- 「この設定は、何のためにありますか?」
- 「安全に試すには、どこまで実行すれば良いですか?」
ただし、AIに全部を丸投げするわけではありません。
実際に実行する前には、何が起きるのかを確認します。
特に、メール送信、認証情報、外部サービスの変更などは、人間が判断する必要があります。
AIは、作業を代わりに進める存在というよりも、隣で説明してくれる開発パートナーとして使う方が安心です。
ローカル環境で動かすときの注意点
自分のMacでn8nを動かす場合、いくつか注意点があります。
| 注意点 | 考え方 |
|---|---|
| Macが停止している | n8nも止まるため、定期実行されません。 |
| Docker Desktopが起動していない | n8nのコンテナも動きません。 |
| データ保存の設定がない | ワークフローや履歴が消える可能性があります。 |
| 認証情報の管理 | APIキーやOAuth情報を不用意に共有しません。 |
| テスト実行 | メール送信などの外部操作には注意が必要です。 |
つまり、ローカル環境は自由度が高い一方で、「自分で動かす」前提があります。
今回の「自分専用AI週報」では、Macが閉じていて実行されなかった週があっても、現時点では大きな問題ではありません。
まずは実験として動かし、使い続ける価値が見えてきた段階で、次の運用方法を考えれば良いと思っています。
まとめ
- Dockerもn8nも未経験の状態から、ローカル環境で「自分専用AI週報」を動かし始めました。
- Dockerは、n8nを安全に動かすための「箱」と考えると理解しやすいです。
- 最初からすべてを理解するよりも、目的に必要な部分を一つずつ試す方が進みやすいです。
- ChatGPTやCodexは、初心者が技術的な作業を進める際の開発パートナーになります。
- ただし、認証情報やメール送信などの外部操作は、人間が確認しながら進めることが大切です。
次回は、n8nで「自分専用AI週報」を作る際に最初の壁になった、Google Cloud・Gmail・OAuth認証についてお伝えします。
前回の記事はこちらです。Google Apps Script版の「自分専用AI週報」を運用して分かった5つの限界と、n8nへ移行を決めた理由

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