情報の発信量が多いか少ないか
今回の結論は、「未熟も歴史にして、情報発信をしていこう」。
うまくいっているスモールビジネスとそうでないスモールビジネス。両者の違いは数あれど、表面的にみて最もわかりやすい違いは、情報発信をしているか否か。もっといえば、情報の発信量が多いか少ないかで見て取れる。
ウチは前身の映像制作屋の頃から、セミナーや講座、その後の懇親会などで多くのスモールビジネスオーナーと話を重ねつつ、開催者の視点から、あるいは参加者の視点からその実態を研究し続けている。
セミナーや講座は規模の違いはあれど、少ないものでも5人〜10人、多いものだと50人〜200人、300人、それ以上の人が参加する。そんなセミナーや講座に年間100〜200ほど携わってきたので、結構な数のスモールビジネスオーナーと関わってきた。
クライアントはスモールビジネス、クライアントのクライアントもスモールビジネス、自分たちもスモールビジネス、と日々付き合う層がかなり偏っているな〜とは思うけれど、良い環境で仕事ができているんじゃないかと思っている。
仕事が楽しいので、あんまり学生時代の友人と会ったり飲んだりはしない。もはやスモールビジネス以外の人と会う機会もほとんどないのだけど、それだけスモールビジネスオーナーと会って、実態を研究し続けていれば、うまくいっている人とそうでない人の違いが自ずと見えてくる。
商品・サービスに違いはあるのか?
冒頭でも述べたように、結論からいって、うまくいっているスモールビジネスは情報の発信量が多い。ある人はブログ、ある人はユーチューブ、ある人はフェイスブック、ポッドキャスト、セミナー、ニュースレター、メールマガジン・・・といった具合で、何かしらの媒体・メディアを通して、コツコツと情報を発信し続けている。
例外は無いのかと探してみたけど、ほとんど見つからない。ブログを更新していない人でも、ユーチューブでは情報を発信していたり、ウェブ上ではあんまり情報を発信していない人でも、ニュースレターは毎月継続的に発行していたりする。(あなたの周りはどうだろう)
それぞれ得意な分野での情報発信量がとにかく多い。ウチが研究した限りでは、その他の部分で、うまくいっている人とそうでない人の違いは見つけることができなかった。商品が特別優れているわけではないし、サービス内容が他と比べて素晴らしいというわけではなかった。
というよりも、正直いって、ウチもウェブや映像以外は専門じゃないので、それぞれの商品・サービスの違いなんてよくわからない。みんな良い商品・サービスを提供しているように見えるし、実際そうなんだと思う。
コンサルタントであれば、みんな良いことを言っているし、整体師であれば、みんな良い施術をしているし、サロンであれば、みんなハイカラに仕上げてる。「こりゃ、ヒドい」なんてところはまず見つからない。逆に、そういうところを見つける方が難しいんじゃないかな。
商品・サービスの違いなんてわからない
実はコレってお客さんもそうだと思うんだよね。商品・サービスの違いなんてよく分からない。専門にやってるこっちとしては、専門的な違いがよく分かる。「ウチは◯◯が強みで、この部分はその他の競合には提供できない」っていっても、お客さんはそもそもその◯◯自体がよく分からなかったりする。
例えばウェブでいうと、「アメブロは独自ドメインは取れないので、ワードプレスで独自ドメインを取りましょう」といったところで、そもそも独自ドメイン自体が何か分からなければ、「簡単だし、周りがみんなやってるんだから、アメブロでいーじゃん」という話になっちゃう。
つまり、お客さんにある程度の知識がないと、専門的な違いを必死にアピールしたところで、よく分からない。選ぶ理由にならない。
じゃあ、どうすればいいのか。うまくいっている人はどうやっているのかというと、何度も伝えている通り、とにかく情報を発信している。
考えてみて欲しいのだけど、商品・サービスに違いはない(少なくとも違いが分からない)となったら、お客さんは一体なにを根拠にして購買に至るのだろう?
商品・サービス以外の購買基準とは?
おそらく一番は、信頼ある人からの紹介・クチコミだと思う。次は何だろう。今の時代だから、グーグル検索とかかな?じゃあ、紹介してくれる人は何を紹介してくれるんだろう?いきなり、高額な自社商品・サービスを紹介してくれるのかな?あるいは、どうやってグーグルで検索しているんだろう?
もちろん、いきなり高額な商品・サービスを紹介してくれる場合もあるだろうけど、無料あるいは、低額のもの(ブログ・ユーチューブ・フェイスブック・ポッドキャスト・ニュースレター)があればより紹介しやすいし、言うまでもなく、情報が無ければグーグルで検索したくてもしようがない。
ウチもありがたく紹介をして頂けることになったら、いきなり高額な商品・サービスを紹介してもらうんじゃなくて、まずはブログとかメルマガ、あるいはセミナーを紹介して頂くようにしている。(ぜひ、紹介して頂ける機会があれば)
つまり、商品・サービス以外の購買基準となる、紹介・クチコミやグーグル検索をしたくても、肝心の情報がなければ、それらをしてもらえない。そうなると悲しいことに、最終手段の「価格」で選ぶしかなくなってしまう。
どうせ同じものなら、より安い方がいいと思うのはとても自然なこと。だって、紹介・クチコミは無いし、グーグルで検索しても何の情報も出てこないんだから。それでいて、商品・サービスの違いは分からないんだから、価格以外で選びようがないじゃない。
だから、情報発信をしよう。情報の発信量を増やそう。というのが結論なのだけど、「それができれば苦労はしない」「なかなか情報発信することができない」というのが本音だと思う。
情報発信できない3つの理由とは?
情報を発信することで価格で選ばれずに済めば、仕事がうまくいって、趣味や家族との時間を大切にできるようになる。だから正直、できない理由をあれこれ並べ立てるより、実践した方がいいとは思う。
とはいえ、できない理由もいくつか考えられる。(1)時間的(2)技術的(3)思考的の大きく3つの理由になるんじゃないかな。
時間的理由とはいうのは、そもそもブログやメルマガ、ニュースレターを書いたり、ユーチューブ動画を撮影する時間がないというもの。これについては、情報発信の優先順位を業務の中で一番に持ってくることで解決する。情報発信をしなければ、次の業務に取り掛かってはいけないようにすればいい。
これ以上の解決策は提示できないので悪しからず。発信できてる人に24時間以上与えられてるわけではないし、発信できている人が暇で暇でしょうがなくて、発信できていない人が特別忙しいというわけじゃない。ただ優先順位が違うだけ。
技術的理由というのは、ブログやメルマガ、ニュースレターのはじめ方、ユーチューブ動画の撮影のやり方がわからないというもの。これについては、一番簡単。単純に本とかグーグルとかで検索したり、人に聞いたりすれば済む。情報なんていくらでもある。
思考的理由というのは、「何を発信すればいいのかわからない」「ウチなんかが情報を発信していいのだろうか」といったもの。実際のところ、情報発信をできない一番の理由は、この思考的理由がハードルになっていることだと思う。
ウチもそうだったし、セミナーやワークショップ、個別サポートをしているお客さんでもこの問題を抱えている人は多い。それぞれ解決していこう。
まず、「何を発信すればいいのかわからない」という問題だけど、最初は商品・サービスに関連する情報を発信していくことをおすすめする。
例えば、整体師であれば、「腰が痛い時にやるべきストレッチ10選」とか、サロンであれば、「お肌をキレイに保つおすすめ化粧品」とか。ウチでいうと、「スモールビジネスにおすすめのウェブツール・サービス50選」とか。
いずれも日頃からお客さんと接していれば、自然と教えているようなものを情報発信していけばいい。
あなたが思うほど、あなたのことを気にしちゃいない
次に、「ウチなんかが情報を発信していいのだろうか」という問題だけど、大丈夫。みんな、あなたが思うほど、あなたのことを気にしちゃいない。例えば、あなた自身はブログで誤字や脱字があったり、ユーチューブで噛み噛みだったら、恥ずかしいと思うかもしれない。
でも読者や視聴者は、それらの記事や動画を見た3分後には、そんなことはもう忘れてる。みんな自分のことが気になるし、自分のことで精一杯。だから、そんなことは気に病むことはない。何よりもあなたが気を遣うべき相手は、そんな揚げ足を取る人じゃなくて、あなたの情報を求めている人。
揚げ足を取らないであなた自身を受けて入れてくれる人にとっては、少し未熟な部分があったとしても、親近感が湧いたりプラスに働いたりするもの。でも情報を発信していなければ、そんな人とも出会えない。
未熟も歴史にして、あなたの素晴らしい情報を発信していこう。