前回は、同じAIニュースを二度送らないために、「自分専用AI週報」へ重複送信防止の仕組みを入れたことをお伝えしました。
ここまで読むと、「AIが情報を集め、AIが選び、AIがメールを送るなら、人間は何もしなくて良いのでは?」と思うかもしれません。
ですが、実際に作ってみると、そうではありませんでした。
AIが得意なことはたくさんあります。
- 情報を集める。
- 候補を整理する。
- 文章を要約する。
- エラーの意味を説明する。
- コードや設定の下書きを作る。
一方で、AIに任せすぎない方が良いこともあります。
- 何を目的にするのか。
- 何を重要なニュースと判断するのか。
- メールを誰に送るのか。
- どこまで自動化するのか。
- 最終的に実行して良いのか。
こうした判断は、人間が持つ必要があります。
今回は、「自分専用AI週報」を作る中で見えてきた、ChatGPT、Codex、n8n、Gemini、人間の役割分担についてお伝えします。
この記事の要約
- AIを活用しても、人間の仕事がなくなるわけではありません。
- ChatGPT、Codex、n8n、Geminiは、それぞれ得意な役割が違います。
- 人間は、目的、優先順位、認証、送信、公開などの最終判断を担当します。
- 役割を分けることで、AIを便利な道具ではなく、安心して使える開発パートナーにできます。
AIに全部任せると、かえって不安になります
AIを使えば、これまで人間が行っていた作業の一部を任せられます。
これは、とても便利です。
ですが、「全部AIに任せれば良い」と考えると、少し危険です。
たとえば、「自分専用AI週報」では、Gmailからメールを送ります。
- メール送信は、一度実行すると相手の受信箱に届きます。
- 認証情報も扱います。
- ワークフローをPublishすれば、定期実行が始まります。
こうした操作を、内容を確認せずにAIへ任せるのは不安です。
大切なのは、AIに任せる範囲を広げることではありません。
人間が判断すべきことと、AIに任せることを分けることです。
「自分専用AI週報」の役割分担
今回の仕組みでは、主に次のように役割を分けました。
| 担当 | 主な役割 |
|---|---|
| 人間 | 目的を決める、実行を承認する、認証情報を管理する、結果を確認する |
| ChatGPT | 考え方を整理する、次の作業を案内する、エラーの意味を説明する |
| Codex | ファイルを確認する、改善案を作る、新しい下書きJSONや資料を作る |
| n8n | 情報取得、加工、AIへの依頼、メール送信をつなぐ |
| Gemini | 候補から重要な更新を選び、日本語の週報へ整理する |
このように分けると、AIが何をしているのかが分かりやすくなります。
また、何か問題が起きたときも、「どの役割で見直すべきか?」を考えやすくなります。
ChatGPTは「次の一歩」を整理する役割
ChatGPTには、主に全体の進め方を整理してもらいました。
「自分専用AI週報」を作っていると、やりたいことが次々に出てきます。
- 情報源を増やしたい
- メールを読みやすくしたい
- 重複送信を防ぎたい
- テストを安全にしたい
- ドキュメントを残したい
ただ、これを一度に進めようとすると、手が止まります。
そこでChatGPTには、「今の状態で、次に確認すべきことは何か?」を一緒に考えてもらいました。
たとえば、次のような相談です。
- 「このエラーは、どこで起きている可能性がありますか?」
- 「まず確認すべきノードはどれですか?」
- 「この改善は、今やるべきですか?」
- 「安全に試すには、どこまで実行すれば良いですか?」
ChatGPTを使うときに大切だったのは、完璧な答えを求めることではありません。
次にやる小さな一歩を明確にすることでした。
Codexは「下書きと整理」を担当する役割
n8nのワークフローが育ってくると、ノードや設定が増えていきます。
画面上で確認できることもあります。
ですが、全体の構成や変更履歴を整理したい場面では、JSONファイルやドキュメントを確認する方が分かりやすいこともあります。
そこでCodexには、主に次のような役割を任せました。
- 既存のn8nエクスポートJSONを読む
- ノード数や接続を確認する
- 現在の仕組みを文章で整理する
- 改善版の下書きJSONを作る
- READMEやCHANGELOGを作る
- 今後のAI作業ルールを文書化する
ここで重要なのは、Codexに本番環境を直接触らせなかったことです。
Codexには、調査と下書き作成を依頼します。
n8nへのImport、Publish、認証、メール送信は、人間が確認して行います。
この線引きがあることで、AIを使いながらも、仕組みの主導権を持ち続けられます。
n8nは「処理を確実につなぐ役割」
n8nは、人間やAIの代わりに判断する道具ではありません。
それぞれの処理を、決めた順番でつなぐ役割です。
「自分専用AI週報」では、n8nが次のような流れを担当しています。
- 情報源から更新情報を取得する
- 情報の形をそろえる
- 古い情報を除外する
- 重複候補を減らす
- Geminiへ候補を渡す
- メール用HTMLに整形する
- Gmailから送信する
- 定期実行時だけ送信履歴を保存する
n8nの良さは、処理の順番が見えることです。
- 「どこで情報を取るのか?」
- 「どこでGeminiを使うのか?」
- 「どこでメール送信するのか?」
これが画面上で確認できます。
そのため、コードだけで仕組みを作るより、全体を理解しながら改善しやすくなりました。
Geminiは「要約係」ではなく「編集担当」
Geminiには、ニュースを短く要約するだけではなく、「私にとって重要な更新を選ぶ」という役割を任せています。
そのため、Geminiへは単に「ニュースを要約してください」と頼んでいません。
次のような判断基準を渡しています。
- 集客、コンテンツ制作、会員サポート、業務効率化に役立つか
- AIエージェント、業務自動化、アプリ作成に関係するか
- 1か月以内に試せるか
- 候補にない事実や推測を追加しないこと
- 単なる新モデル発表は基本的に除外すること
同じGeminiでも、指示が変われば出力も変わります。
だから、Geminiに何をさせるかを決めるのは人間です。
AIの性能だけではなく、AIに渡す判断基準が週報の質を決めます。
人間が持つべき5つの役割
AIを使って仕組みを作っても、人間が担当する役割は残ります。
むしろ、AIが作業を手伝うほど、人間は判断に集中しやすくなります。
今回の実践で、人間が持つべきだと感じた役割は次の5つです。
1. 目的を決める
「自分専用AI週報」の目的は、「ニュースをたくさん集めること」ではありません。
毎週の情報収集を減らし、次に試すことや、コンテンツのヒントを見つけることです。
目的がぶれると、情報源やGeminiへの指示もぶれます。
2. 優先順位を決める
AIは、候補をたくさん出せます。
ですが、今週試すことは1つか2つで十分です。
- 何を今週やるのか?
- 何を後回しにするのか?
この優先順位は、人間が決める必要があります。
3. 認証情報を管理する
APIキー、OAuth情報、Gmailの認証情報などは、仕組みを動かすために必要です。
ですが、AIやドキュメントに貼り付けるものではありません。
認証情報の値は、人間が管理し、必要な画面でだけ扱います。
4. 外部操作を承認する
n8nへのImport、Publish、Scheduleの開始、メール送信などは、外部へ影響する操作です。
AIが提案しても、そのまま実行するのではなく、人間が画面で確認します。
特にメール送信は、相手に届いた後で取り消せません。
だから、実行前に内容と送信先を確認する必要があります。
5. 結果を見て改善する
自動化は、一度作って終わりではありません。
実際に届いた週報を見て、「今週は役立ったか?」を考えます。
- 情報が多すぎた。
- 重要な更新が抜けた。
- 実験候補が具体的ではなかった。
- メールが読みにくかった。
こうした気づきをもとに、情報源、指示文、メール形式を少しずつ改善します。
AIとの役割分担は、外注との違いでもあります
AIを使って仕組みを作ると、「外注と何が違うのか?」と感じるかもしれません。
大きな違いは、仕組みの中身を自分たちが理解し、改善できることです。
外注では、完成品を受け取る形になりやすいです。
一方、AIと一緒に作る場合は、途中の考え方や判断基準も自分たちの中に残ります。
だから、後から少しずつ直せます。
- 情報源を追加できます。
- メールの形式を変えられます。
- 対象読者に合わせて、Geminiへの指示も変えられます。
これは、このは屋が大切にしているDIY(自作)・内製化の考え方と相性が良いと感じています。
まとめ
- AIに全部を任せるより、人間とAIで役割を分ける方が安心して進められます。
- ChatGPTは、考え方や次の一歩を整理する役割です。
- Codexは、ファイル確認、下書き作成、ドキュメント整理を担当します。
- n8nは、情報取得からメール送信までの処理をつなぐ役割です。
- Geminiは、候補から重要な更新を選ぶ編集担当です。
- 人間は、目的、優先順位、認証、外部操作、改善判断を担当します。
次回は、「自分専用AI週報」を作る過程で残したREADME、CHANGELOG、作業ルールについてお伝えします。
前回の記事はこちらです。同じAIニュースを二度送らない!n8nで「自分専用AI週報」の重複送信を防ぐ仕組み

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